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やっぱり撮らずにはいられない

流し撮りのシャッタースピード

EOS30D 100-400mm 1/30 F36
EOS30D 100-400mm 1/30 F36

流し撮りは写真でしか表現できない方法で私が一番好きで得意とし、そして永遠に向上していきたいライフワークのような課題でもあるのですが、チャコさんから質問あったのでちょっと自分も最近そういえばデータをちゃんと頭の中でも整理していないなぁと思いUP記事として書きます。

シャッタースピードという数字を低くすればするほど背景は流れ、動感が出ます。しかしあるスピードから、手ぶれと被写体ブレとの戦いになり、確率がガクン、と落ちてしまうのです。ご経験いっぱいある方いますよね?そこのあなた!(笑)

フィルム時代では自分で撮影したロールごとに記憶するなりメモをとっていないとデータは残りませんでしたが、デジタルになってからはExif情報として撮影した時間までもが記録できるようになり飛躍的な進歩だと感じたものです。今じゃ当たり前ですが。 私のデジの経緯はペンタックスのistDに始まりミノルタα7D、そしてキャノンとなるわけですがistDからもう流しまくっていました。流しは失敗との戦いなのでフィルム&現像代がかからないとなるとアホほど押せる押せる〜♪フィルムでは躊躇していたトワイライトタイムの撮影なんかがものすごく増えたものです。当然その時間帯のシャッタースピードは一桁くらいまで落ちてしまいますが、毎日のように夕方になると滑走路脇の道路に車を止めて屋根に上って流していました。istDは総ショット数測定不能状態でシャッターがぶっ壊れてしまうまで使いました。そういう経験は今の私の頭の中で簡単に説明できるものから、字では伝えられないものまで経験値として残っています。

作例は過去にHPでUPしたものや、今繋いであるHD(保管HDがめちゃくちゃあるんです)の中からチャチャチャと選んだのでベストオブベストとはいえませんが、一番目の作例は機材をキャノンに総替えしてすぐに撮影に行った時のもので、ボディはEOS30D、レンズは今はドナドナしてしまった100-400IS、スズカのヘアピン立ち上がりです。背景のコンクリートウォールが例えば色様々な観客席だとすると、もっとこの写真は良いものになっていたでしょう。プレスで撮れるならばもっとローアングル、そして背景も前述したようにもっと良いものになるでしょう。誰かスズカのプレス仕事ください。

IMG_0375_20080509222512.jpg
同日 1/60 F18

最初は私もシャッタースピードが遅けりゃ遅いほど良い、と信じていました。どこまで流せるのか自分の限界を高めたい、試したいというのもあり、無茶な速度まで落としていました。しかし段々と被写体をどう見せるのかでシャッタースピードを決めるというのを結果から理解していったのです。参考書読めって?(笑) 一枚目の車よりシャッタースピードが速いのにこっちのほうがブレ加減があるでしょ?車と単車の投影面積の違いと、実際走っている速度の違い(単車はスズカS字ですのでかなり速いはずです、ヘアピンは一番速度が落ちる箇所ですがそれでも逆に立ち上がりは暴力的な加速度です)、写真に写る範囲の違いなどいろんな要素があってその写真が決まっちゃうんです。

IMG_0412_20080509223026.jpg
 1/60 F18

IMG_0634.jpg
 1/30 F32

モリワキが縦なのはその手前のコーナーから撮ってたので横にするのが間に合わなかったからです。バイクのそこそこすごい速さの場合、被写体の大きさが極端に小さいので1/30などにすると流しがピタッ!と合っていても色んな稼動箇所が被写体ブレをおこすのでこの場合だとカウルの一部にしかピンの芯がきていません。 しかしこのピンの芯をコントロールできるようになると・・・

PICT2982.jpg
 α7D APO400mmG 1/8 スズカヘアピン

データはオリジナルが違うHDに入っているので記憶の中からですが、ミノルタ時代の流しは強烈にHITしまくり、怖い物無しでした。白レンズが立ち並ぶスズカの中でキャノンUSMなんかいらねーよ!って実際にそう思って撮っていました。 ピンの芯のコントロールは、もう言葉じゃ書けません。一種の念力に似た超常現象のようなものですね(笑) ココ・・・ココや、止まれぇ!って一番出したいトコだけを残してあとはブラすんです。 ・・・ね?字で書けばむちゃくちゃでしょ?

PICT0844.jpg
 α7D tokina100-300mm/4 1/25 F4

飛行機の場合は被写体がでっかいですから、かなり無茶しても止まります。高速ですが見た目ゆったりしていますのでサーキットなどと比べるとはるかに初心者向きでもありますし撮りやすいです。

PICT6400.jpg
 α7D 35mm/2 1/15 F2.5

低速シャッターで撮る理由は被写体が止まった時のバックの流れでメインに出したいものが浮き上がるようになるからです。いくらハイビジョンムービーが家庭用で10万円を切って手に入るようになっても、ムービーじゃこれは絶対撮れません。写真でしか出せないものだからです。

PICT5218.jpg
 α7D 28-75mm/2.8  1/2 F4

ほぼ限界近いスピードのトワイライトジャンボジェット。この頃はみんなが帰る頃に到着して撮っていました。この頃の作品はHPにもUPしていないので、実際に4PWの焼きを見た人以外は初めてのUPです。他にもこの頃の流しは最近PCを変えてからソフトをインストしていないので放置状態になっているHP内のPHOTOSで多数掲示しているのでヒマあったら見てください。数も多いので夜更かしご注意ですが。http://littlebastard.fc2web.com/

で、ようやくチャコさんの質問の答えになるんですが、ドカ走行会の写真ではお仕事ということもあり、シャッタースピードは1/250とかそんなくらいです。1回目〜数回まではかなり無茶な流しをしていましたが、ご覧になる方が一般人、つまり写真に対してごく普通の人達であるということから、流しが決まった写真よりもできるだけ端から端までピンが来た、それなりに動感のある写真の方が好まれるというのがその理由です。HIT率をあげるならば、1/400でもOKです。基準はホイルのスポークの数が数えられないならばOKという感じですね。あとはコーナーの速度で細かく前後します。初心者クラスの走行などは極端に速度が低いですから、かなり落として颯爽と走っているように撮ります。

チャコさんの乗馬の流しなどは、非常にベストなシャッタースピードだと思いますよ。アレ以上遅くするとブレる箇所がメイン被写体で増えてきて特別これを表現したいという写真以外は、ヌマァ〜〜〜〜っとしたムンク状態になっちゃうと思います。水平は特にそれが気になる構図以外は気にしない方がいいんじゃないでしょうか。私は意図的に傾けたりしています。それが構図的にバンク感を出したり動感につながる場合だけですが。 先日UPのマラソン撮影(仕事ね)でランナーを撮影した際には、ほとんどが1/2000 F5.0とかというデータで、私としてはこんな高速シャッターで止めちゃうなんてなかなかしなかったんですが、人間の筋肉の動いている瞬間だとか表情の一瞬を流さずブレ無く撮るというのもものすごく新鮮な撮影でした。いろんな写真を撮って、それを表現したい自分の写真にフィードバックするというのが一番だと思います。何がなんでも流しではなく、メリハリですね。ただ、私は流しでもっと自分の納得できるものを撮りたいと、それが今でもずーっと思って撮ってます。

機材的にはAFの良さとかISサンニッパのたぐい稀な優秀さ、そして仕事の上でEOS1D系でないと、白レンズで2.8でないと周囲が許してくれない(笑)というとこでキャノンになりましたが、私は別になんでもいいかな、って思います。PHOTOSの初期時代のペンタistDのジャンボ流しとか見直してたら、これでも全然十分じゃん。って思いますし。そこそこのスペックで軽いボディに優秀なレンズ(レンズには金をかけたほうが総じて幸せになります)、あとは美味しいコーヒーがあればいい写真はいっぱい撮れます。個人的にはまだミノルタのあの濃厚な色が懐かしいですね。かといってポートレイトではキャノンEOS1Dマーク3は最強無敵です。ただし重いので70-200/2.8つけて6時間ぶっ通しでランナー撮ってたら頭ぼぉ〜(@@)っとしてきて腕が乳酸でパンパカパンに腫れ上がります。流してても頭クラクラします(笑)。軽くて最強なボディが出たらもっといいですね。今回はチャコさんへの私信になっちゃいましたが、他の方も参考になりましたでしょーか?




  1. 2008/05/09(金) 23:21:27|
  2. 写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
<<おぼん(ばん)ですー | ホーム | 惚れました>>

コメント

まずはお礼から。
どうも詳しい解説頂きまして有難うございます。
改めてこうやって見ると惚れ惚れします。
やっぱり鍛錬の積み重ねなんですね。
12月に買ったα700ですが既に40000カットをゆうに超えています。
一回流し撮りに行くとかるーく1000枚は超えます。(笑)
デジタルならではでアナログでは絶対に不可能です。
私も最初は70-200で6時間ほどぶっ通しで撮っていて腕が痛かったけど今はだいぶ慣れました。(笑)
あと太ももにも来ました。あはは。
空港に人が帰るころ到着って凄く分かります。
どうしてこんないい時に帰るのかって私も思います。
そして、ピントの芯出を自在にコントロール出来るのにはブッタマゲました!
極たまにマグレで出る事はありましたが意識して出せるようになるんですね。
いやー、ホント、カメラ雑誌にある投稿写真の一等賞もんのオンパレードです。
飛行機は初心者向きなんですか。
羽田に通うか!
最後の二枚にも仰天です。
なんちゅースピードで撮ってまんねん!
広角でこういう表現方法があるとは。
勉強させて頂きました。
ドカの撮影のSSはそんな事だろうと思いました。
TPOでスタイルを使い分けているんだろーなーって。
あっ、そうそうHPの写真は殆ど見てます。
ミノルタはいい色でてますねぇ。

バンクしたバイクは外側からより内側の方が撮りやすそうなんですが実際はどうなんでしょう。
リクエストしていいでしょうか?
ストレートエンドでフルブレーキング、フルボトム状態の写真。フロントフォークが曲がるってくらいのやつ。(笑)
減速Gの伝わる写真を撮ってみたいものです。
まぁ、それより練習しなきゃね。
有難うございました。
  1. 2008/05/10(土) 01:53:33 |
  2. URL |
  3. チャコ #-
  4. [ 編集]

Pocke師匠、こんばんは。
流し撮り写真集すごいっすね〜。思わず「ふ〜」とため息です。
特にバイクの3枚は初めて見たので、これどうやって撮ったんだろ?って感じです。
師匠の写真で今でも目に焼き付いてるのは一度おっさんミーティングの後に見せてもらったプリントで雨の日?だったかのGTカーを水煙を後ろから撮ったやつです。 あ、これお金出しても欲しい!と今でも思ってます。
流し撮りですけど師匠に「SSが遅ければいいってもんじゃないよ」と教えてもらって以来、いろいろと自分なりに考えて、いかに低速でも手ぶれせずに撮るのが先かなと、いろいろSSを考えて撮るきっかけになりました。
それと連射すると心に余裕が出来るので「ココ!」とゆうところで一枚切りで流すようにしてから、成功率がアップしたような気がします。
カメラが変わると全く出来なくなるので、「人馬一体」ではないですが「人カメラ一体」なのかな?と感覚が全てで体調とかじゃなくてダメなときは一枚として納得いくように撮れないです。
>このピンの芯をコントロールできるようになると・・・
いまだにこの「芯」がなかなかでもどかしいです。
手ぶれ補正とか高感度撮影OKな機械がが続々出てきますけど、この「流し」の難しさがまだ人間の領域っぽくて僕は好きです。
でも、全然うまくいかないので封印していますけどw
  1. 2008/05/10(土) 02:00:37 |
  2. URL |
  3. sakasaka #mQop/nM.
  4. [ 編集]

真骨頂ですね!

流しの写真は師匠を誘ってサーキットでバイク撮ってもらって出来上がった写真を見てこんな世界もあるのかと驚いてからいつか自分も撮ってみたいと思いはや数年。
カメラの構え方、立ち位置、レンズの振り方等、いろいろアドバイスいただきながらも全然進歩せずやっぱり師匠はロボットやと改めて思うこのごろです(笑)
止めたいところにピンをコントロールできるなんて僕にはとうていできません。
プライベートでの流しの写真、今後も期待してます!
  1. 2008/05/10(土) 06:06:24 |
  2. URL |
  3. corgi7 #-
  4. [ 編集]

また出遅れちゃった(汗
この前のパンジーの絵の撮り方を教えてもらってから、流し方もちょっと考えるようになりました…
(円運動じゃなく平行なんだなーと。)
が、一朝一夕には行かないですね、、、

そういう意味で鈴鹿のS字は難しすぎです。ヘアピンも曲率が高すぎて曲がってる最中は難しいですねー。
紫電の写真で堪能させてもらいましたが、あんなのいつか撮れればなぁと思います。

ででで、映像ではムリって話。アレたぶん可能です。映像でやらないのはやっても面白くないんでしょうね(笑。

またプライベートな飛行機モノ、バイクモノを期待しております!
  1. 2008/05/10(土) 17:49:39 |
  2. URL |
  3. kruva #4SZw2tfw
  4. [ 編集]

皆さんこのブログ読んでくださってるんですねぇ、なんか嬉しくコメント拝見しました。ありがとございます。

チャコさんのコメントにもありましたが、デジタルになってから「失敗=お金すっごくかかる」から開放されて、撮影したいけどやめとこうといった時間帯や状況などでもガンガンシャッターが押せるようになり、非常に良い環境になってきたと思います。一回の撮影で数千枚なんてフィルムじゃどうひっくりかえったって現実的に一般じゃ無理ですもんね。でも、写真はシャッターを押さないと残らないので、そういう面ではデジタル化はものすごい画期的な進歩といえます。

バンク時のIN側OUT側の撮りやすさですが、kruvaさんが少し触れられてますが横流し(2次元的)か三次元的な立ち上がり手前でフルバンク、こっちに向かってくるとかは人間のもカメラのAFの演算もアプローチが違ってくるのでなんとも言えないですねぇ。平面で捉えるアウト横流しとかの方が単純でやり易いかな。でもイン側から撮れる状況であればそっちの方が絵的には良いですね。

sakasakaさんが電車では置きピン多用されてると思いますし速度も新幹線では300km/hですので桁違いの状況、自分のいつも撮っているジャンルとは違うとこへの首つっこみも新たな撮影方法を知るチャンスですしそれをまたどこかにフィードバックできると思うので、いろんなことにチャレンジするのも大事なことだと、私はsakasakaさんに鉄ちゃん連れてってもらって勉強させてもらいました。そうそう、絶対0系撮影行こうね(お誘いっすー!)

ピンのコントロールは心象的なものも絡んできちゃうので説明難しいですが、要は射止めたい被写体の動きに同調させてカメラを微移動させると理論的には止まるわけですから、そのマシンであればその挙動を周回していれば何度も観察して頭でも動きを予測し(AFはカメラが予測)そのマシンと撮影者の気持ちが一体化する、っていう頭の中ですね、そういうのんが結果に出ちゃうことが多いです。上手いドライバーやライダーは寸分違わないラインで次の周回もきたりするので、バカっ速くてもそのマシンに慣れれば追えたりします。だからアマレーサーよりもプロレーサーの方が撮りやすい気がします。

corgi7さんの写真はもう十二分なレベルまでいってるのでただの謙遜ですね(笑) 機材もいつの間にかプロも真っ青な装備で心配になるほどです(笑) 

5月は超ビジーで6月からすっからかんの予定なのでまたそれくらいから個人作品撮るつもりです。リクエストなども頭にいれながらまた「どぉ?!見てみて!」っていう写真をキャホホホ叫びながら撮りたいですねぇ。皆さんともまたどっかで撮影ごいっしょしたいです〜。
  1. 2008/05/11(日) 03:00:17 |
  2. URL |
  3. pocke #-
  4. [ 編集]

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